高脂血症の薬、併用で薬害?


現在、医者のセカンドオピニオンが言われ始めていますが、それは出される薬にも言えることなのです。気をつけないと悲惨な結果になることもあるのです。その一例をご紹介しましょう。

ある高脂血症患者の悲惨な経験

Aさんは、健康診断で総コレステロール257・中性脂肪651と、基準値を大きく上回りました。そこで、近くの市民病院で診察を受け、運動の薦めと「ベザフィブラート」という高脂血症治療薬を処方されました。

原因が分からない内に、薬を追加

1週間もしないうちに不整脈が起こり病院に行ったのですが、原因は分からず、指示通りに薬を飲み続けました。2ヵ月後、再び不整脈が起こりました。ここで医師は「プラバスタチンナトリウム」という別の高脂血症治療薬を追加して、2つの薬を併用するよう指示しました。

併用が危険な薬がある

この2つの薬の併用は当時から「慎重投与」扱い(現在は原則忌避)でした。にもかかわらず、医師は何の副作用の説明も、服用後の検査も行なわなかったのです。その後は、不整脈のほか、激しい痛みを伴う腰痛・胃痛、身体の毛が抜ける、様々な感染症(結膜炎・ヘルペス等)などの症状もでたのです。

処方された薬にもセカンドオピニオン

現在、Aさんは薬害認定を勝ち取るために係争中です。ある医師によれば「コレステロール値257では2つの薬を併用させるほどではなかったはず」とのこと。皆さんも、処方された薬の副作用を担当医に確認するのはもちろんのこと、薬剤師に尋ねたり、別の医者のセカンドオピニオンを求めるなど、自己防衛していく必要があるでしょう。

参考文献「私は薬に殺される」(幻冬舎)