甘い! 病院の防犯対策


窃盗被害は5割、大病院ではなんと8割!

日本看護協会の調べで、「院内での窃盗」のトラブルが起こったことがある病院が5割にもなることが分かりました。半数もの病院で窃盗被害が出ているのです。ベッド数が200以上の病院に限ると、その割合はなんと8割。病院規模が大きいほど被害がおきやすい傾向にあります。

備品管理も甘い!

特に人の出入りの激しい外来で多発していますが、病院内部の備品管理も甘い部分があるようです。例えば、少し前には、都立病院の白衣がネット競売に出品されるという事件が起きています。“たかが白衣”と思われがちですが、これを着た「ニセ医師」が病院内に侵入する恐れがあります。特に、危惧されるのが、新生児の連れ去りなどです。

薬剤管理もずさん

薬剤に関しても、かなりずさんな管理が明らかになっています。例えば、「麻薬」の所在不明件数は年間250件以上にのぼり、10年前に比べて4倍に増加しています。また、向精神薬の盗難も多数起きています。こうして紛失や盗難にあった薬剤が犯罪に利用されるケースも増えてきています。

夜間の人の出入りは病院自身でさえ不安

病院を対象に行なった調査でも、特に夜間の安全確保体制に関しては約6割が「不備」と回答しており、特に「院外の第三者の出入り管理」は7割の病院が不備な点に挙げています。一番注意されるべき新生児室でさえ、防犯カメラを設置しているのは5分の1以下で、コストの問題もあり、病院側の取り組みは遅れているようです。