大学病院変わらなきゃ!


研修医が減る大学病院

新人医師の臨床研修制度が導入されたことにより、新人医師からの人気が落ちているのが大学病院です。臨床研修導入前は7割だったものが、全国平均で5割になり、関東や関西などの首都圏以外では3割台に落ち込んでいます。

関連病院の医師引き揚げで診療休止の所も・・・

今まで選択の余地がなかったため、医学部卒業後もその付属大学病院で臨床経験を積んでいた新人医師が、新たな臨床研修制度により全国の病院から研修先を選べるシステムに変わり、一般病院を選ぶ医師が増加しました。これにより人手不足に陥った大学病院が、関連病院に派遣していた医師を引き揚げてしまい、各地の病院で診療休止などの事態が起きてしまっています。

大学病院側は厚労省に見直しを要請

こうした事態を受けて、大学病院では「このまま大学病院離れが加速すると、救急医療や大学からの医師の派遣で成り立つ地域医療が崩壊する」と心配の声が出ています。大学病院側の代表機関である「全国医学部長病院長会議」はこうした危惧を受け、厚生労働省などに臨床研修制度の早期見直しを求める緊急声明を出しました。

大学病院が変わる必要あり!

ただ、「新人医師は豊富な診療経験が積めるなどの理由で民間病院を選択するケースも多い。大学側も魅力ある研修プログラムを作るなどの工夫をして欲しい」との意見もあるようです。大学病院自身、自分に都合が悪いから「制度を変えるべき」ではなく、「大学病院自身が変わるべき」なのではないかと思われます。