同じ病気なのに・・医療費そんなに違うの?!


医療費が最大3.9倍差

全国の主要医療機関を対象に調査したところ、同じ病気で入院しても、病院によって医療費に大きな開きがあり、最大3.9倍もの差があることが分かりました。そうした場合、入院日数にも大きな差があり、最大7.6倍もの差があったのです。

入院期間が長いと医療費が高い

医療費が高いケースでは、入院期間が長く、薬の使用量や検査回数が多い傾向がありました。例えば、白内障の場合、目の検査や画像診断を入院前に済ますかどうかで大きな差が出ました。また、化学療法だけによる肺ガン治療の場合には、複数回の治療の間に入院し続けるか退院して自宅療養にするかによって大きな違いが出たのです。

医療側の質の低さによる場合も

その他、大きな医療費の違いが出たものとしては、院内感染、寝かせすぎが原因となる床ずれ、手術の不具合が要因の一つとなる縫合不全出血など「医療側の質の向上によって未然に防げたはず」などのケース。入院日数は約2倍、医療費は3倍の差が出たのです。

始まった「包括払い」制度

現在の治療や投薬を行なった分だけ医療費を払う「出来高払い」が、「検査漬け・薬漬け」医療や医療費増加につながっているとの指摘があります。こうしたことから、医療費支払を病気や治療法により一定額とする「包括払い」方式が議論されるようになり、既に大学病院など82病院で採用されています。厚生労働省は更に、この「包括払い」対象病院を2006年度から大幅に増加させる方針を固め、将来的には全病院への導入も視野に入れているようです。