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       数値を気にして薬を服用するのは…逆効果? 
       
       
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             血圧、血糖値、コレステロール値が高くなってくると、日本ではそれらを下げるために薬が処方されることがよくあります。しかし、それは欧米型の医療常識を輸入してきた面があります。最近ではその欧米でさえ、下げない方が良いという研究が出始めています。 
             
             
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             フィンランドでは、血圧、血糖値、コレステロール値などをコントロールしない方が、死亡リスクが減少するという結果が出ています。一方、もともと日本人と欧米人では主となる死因も違います。欧米の国々の死因トップは心疾患ですが、日本の死因トップはガンで、肺炎(誤嚥性肺炎も含む)が第3位です。欧米人に多い心疾患は、たしかに血圧や血糖値が高すぎない方がリスクは低くなります。しかし、日本人に多いガンや肺炎は免疫機能の低い人がかかる病気で、免疫機能を上げるにはコレステロール値はやや高めの方が良いのです。 
       
 
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             こうした違いを考慮せずに、数値ばかりを気にしすぎるのはかえってリスクがあります。しかも、今の日本の健康基準は低すぎると指摘されています。血糖値の指標となるヘモグロビンA1cは5.5未満が正常とされますが、実際は7程度を保つ方が長生きするようです。血圧に関しても、平均180以上と高すぎる場合は生存率が低くなりますが、150程度の境界高血圧群と130ほどの正常血圧群では、生存率に差はありませんでした。少しくらい数値が高くても無理に下げる必要がない人は多いのです。 
       
       
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             日本人は健康診断への信頼が厚いのですが、じつは健康診断が直接的に寿命を延ばすというエビデンスはありません。日本の健康診断で示される判定の多くは統計的なものです。健康と考えられる現役世代の人の平均値を挟んで、95%の人を正常、5%の人を異常と呼び、数値の判定が直接的に健康かどうかを示しているわけではないことが多いのです。 
       
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