大切な歯周病ケア…定期健診を義務化へ

40代以上の8割

歯周病は口腔内の病気で、しかも40代以上のおよそ8割がなっていると言われています。さらに最近では、歯周病がさまざまな疾患と関わっていることが判明しています。口腔ケアを意識して歯周病を予防することは、身体全体の健康維持にも大変役に立つことです。

歯の健診を続けると…

歯周病と全身との関係の深さは、定期的な歯科健診の有無と医療費との相関からも分かります。年間にかかる医療費について、定期的に歯の健診を受けている人と、定期健診を受けていない人を比較すると、若い頃は定期健診を行っている人のほうが年間医療費は高くなりますが、50代になるとそれが逆転するのです。そして65才になる頃には、定期的に歯科健診を受けている人が平均15万円も総医療費を少なくできます。

歯科健診を義務化

このような結果にもとづき、国民全員に毎年の歯科健診を受けさせることを義務化することが現在検討されています。毎年の歯科健診を受けることで、歯の健康維持に役立つだけでなく、増大の一途をたどる医療費を削減する一手となりえるからです。これまでは、高校生までの歯科健診が義務づけられていましたが、大学生や社会人はその対象となっていませんでした。今後は大学や企業での定期健診に歯科も組み込まれるかもしれません。

まずは手軽に

これらのことを背景として歯科健診の必要性が高まっている中、注目されているのが歯周病リスク検査キットです。世界の先進国と比べて日本の歯科健診受診率は低いと言われており、歯医者は「虫歯などで歯に痛みが出てから行くところ」とのイメージを持っている人も少なくありません。そうした人が定期的に歯医者へ通うのはハードルが高いですし、企業がすべての従業員を対象に歯科医師による健診を行うのも大変でしょう。そうした人や企業を対象に、自宅で検体を自身で採取してそれを郵送で送る、歯周病リスク検査キットが手軽な手段として、健診へのきっかけの1つとなっています。

   

マガジン表紙へ