経営困難の病院が急増中


自治体病院、黒字はわずか8%

全国の自治体病院のうち、補助金などに頼らず黒字経営をしているのは全体の8%程度しかないことが分かりました。補助金を含めれば、黒字を確保している病院は4割近くまで増えますが、それでも6割以上の自治体病院が赤字経営をしています。

報酬改定で病院の1割が経営難に

経営悪化は、自治体病院だけの話ではありません。4月の診療報酬改定で、看護職員の配置を増やさないと診療報酬が減る設定にした影響で、中小の民間病院を中心に1割近くの病院が経営困難に陥っています。入院基本料は、看護職員1人が受け持つ入院患者数によって決まります。従来の「患者15人」「13人」「10人」の区分に加え、「7人」を新設して診療報酬を改定し、「15人」を超える病院は事実上採算がとれないようになりました。

看護師の数が不足

こうした診療報酬改定は、より手厚い看護をめざしたもので、「看護師の勤務条件がよくなった」という改良面も出てきています。ただし、大病院ほど看護師が集まるなど病院間の格差が拡大するなどの弊害も出ています。厚生労働省も2006年の看護職員は4万3000人不足するとの見通しをたてており、看護師の引抜きなどに拍車がかかると懸念する病院関係者も多いのです。

看護師より、検査や薬にお金が使われる日本

日本はベッド数が多く、看護師が少ないというよりはベッド数が多すぎるという面もあります。世界全体のCTの3割は日本に集中し、抗生物質の3割は日本で消費されるなど、日本では検査や薬に医療費が多く費やされています。その一方、GDPに占める医療費の割合は先進7カ国中最低で、看護師等の医療従事者の待遇改善を行なうなどの、医療改革を進めていく必要があると思われます。

 


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