産科・・・医者も施設も激減!


出産を扱わないところが3分の1以上

日本産科婦人科学会の調査により、産科や産婦人科の看板を掲げている医療機関の中で、妊婦健診などを行なうだけで、実際には出産を扱っていない病院や診療所が3分の1以上にのぼるという実態が分かりました。

扱っていても、体制は貧弱

出産を取り扱っていても、その4割近くが常勤産科医が2人以下という貧弱な体制で運営されています。特に首都圏や大阪・愛知などの大都市以外が深刻で、2人以下の病院が6割を超える県は7県(岩手・福島・新潟・石川・福井・滋賀・山口)あり、常勤産科医が1人という病院が3割を超える県が5県(山形・福島・石川・高知・熊本)もあります。

厚労省は実態を把握していない

同学会の調査により、出産を扱う医療機関は3063施設と判明したのですが、厚生労働省は推計5000としており、管理すべき役所が全く実態を把握していないことも明らかになりました。常勤医師の数も7985人と、厚生労働省の推計1万1000人とは大きな開きがあります。実態も把握していないのでは、有効な対策など立てられるはずがないと思うのですが・・・

進む産科医の高齢化

大学病院系列の病院を対象にした調査で、産科医の過酷な勤務実態が明らかになっています。年間の当直回数は平均123回、しかも当直明けに休みがとれる病院はほぼ無く、当直日の朝から翌日夕方まで連続30時間以上の勤務を3日ごとにこなさなければならない計算になります。こうした背景から、若い医師が産科を敬遠する傾向があり、若い産科医は一向に増えず、現在、産科医の約3分の1が60歳以上とされ、産科医の高齢化という深刻な状況に陥っています。

  


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