小児科医の不足解消事業・・・空振り?


小児科希望の医学生が減っている

小児科医不足が現在かなり問題となっています。医師全体の数は増えているのに、小児科医の数は減少の一途をたどっています。人手不足が過酷な勤務状況となり、その過酷な状況を嫌って新人医師で小児科を希望する人が減るという悪循環に陥っています。

出産・育児後の女性医師対象に研修制度

新人医師が減っているこうした状況から、小児科医不足の対応策として、厚生労働省は出産や育児で現場を離れた女性医師らに戻ってきてもらおうと、昨年からこうした女性医師を対象に研修事業を始めました。離職した医師に指導医のもとで研修を受けてもらい、現場復帰を促そうという試みです。

応募は1年間でたった一人

年間8100万円の予算を計上したものの、これまでに研修を受けた女性医師は全国になんと1人だけという始末。厚労省自身の調査でも、全国に約4万4千人いる女性医師のうち、無職か医療関連以外の仕事に就いている人は、全診療科合わせても667人だけで、それもほとんどが高齢者で、今回の研修事業のターゲットとなる年齢層は240人程度しかいないのです。

現場の声が反映されず

実際、現場の声としては「少しでも働きたい人はパート形態などで既に現場に戻っており、需要があるとは思えない。」という声や「まずは女性医師が何を望み、どんな立場に置かれているのか実態を調べた上で、研修や仕事の斡旋をしない限り、実効性は望めない」といった声があがっています。

  


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