問題多い! 集団検診の胸部エックス線


もともと結核発見のため

肺ガン検診の効果について、胸部エックス線検査は、全く効果がないという結果が多数出されています。現在ではガン検診と思われている胸部エックス線検査は、元々は結核発見のため行われてきたのです。

集団検診での撮影は間接撮影法

病院で撮られる胸部エックス線は、直接撮影といって50センチ×50センチという大きなエックス線で行なわれます。しかし、職場や地域など、集団の健康診断で行なわれる肺ガン検診では、大量処理に適したシステムということで、間接撮影が行なわれます。

画像が小さくなる間接撮影法

間接撮影では、一度蛍光板に投影された陰影をロールフィルムで撮影します。その結果、画像が10センチ×10センチと小さくなります。これでは、よほど経験を積んだ専門医でない限り、早期の肺ガンなど見つけることは至難の業でしょう。

放射線の被曝も多い間接撮影法

さらに、間接撮影は、直接撮影よりも放射線の被曝が多いという問題も指摘されています。米国などでは、間接撮影装置の使用は既に取り止められており、「日本でも少なくとも間接撮影は止めるべき」と主張する専門家も多くなっています。

個人個人がきちんと検診を考えよう

ガン検診で早期ガンが見つかり、それによってガンが治ったという方もいるでしょう。ですから、ガン検診は、個人的には有効であると言えます。ただし、統計的や集団的にみると、肺ガン検診には有効性が認められないのが現状です。ガン検診は、受動的に受けるのではなく、その効果とコストを考え、1人1人が「自分自身が受けるかどうかを」きちんと考えるべきだと思われます。

    

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