知っていますか? スパイロ検査


肺機能検査に使用

最近の健康診断では、肺機能検査が行なわれることもあります。健康診断で肺機能検査といった場合、一般的に「スパイロ検査」を指します。「スパイロ検査」は、肺活量だけでなく、様々な側面から肺の換気機能(空気の出し入れがうまく出来ているかどうか)を調べることが出来ます。

COPD発見に有効

「スパイロ検査」は、近年、高齢者に多い肺の病気として注目されるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の早期発見や診断に欠かせません。COPDは、2020年には、世界の死因の第3位になると予想されています。単に肺活量を測定するだけの、昔ながらの肺活量計では、COPDの診断は出来ないのです。

スパイロ検査では、ここをチェック

スパイロ検査で得られる情報はたくさんありますが、健康診断などでチェックされるのは、だいたい次の2点です。
★%肺活量★
年齢や性別、身長や体重などによって得られた「予測肺活量」に対して、その人の「実測肺活量」の比率
     → 『%肺活量』が80%未満の場合は「拘束性換気障害」と診断
★1秒率(1秒量・努力性肺活量)★
息を深く吸い込み、出来るだけ早く吐ききった時の息の量を「努力性肺活量」と言い、「努力性肺活量」全体のうち、最初の1秒間に吐き出した量を「1秒量」と言います。「努力性肺活量」に占める「1秒量」の割合を、『1秒率』と呼びます。
     → 『1秒率』が70%未満の場合は「閉塞性換気障害」と診断


※COPD(慢性閉塞性肺疾患)
気管支の炎症が続いて内腔が狭くなったり、肺の中の組織が壊れたりして、換気障害が起こる病気。以前は「慢性気管支炎」や「肺気腫」と言われていた病態を含めて「COPD」と呼ぶようになりました。

    

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