ガンを予防する画期的ワクチン!


子宮頚ガンの原因はウイルス

日本で子宮頚ガンと診断される人は、毎年約1万5000人にのぼり、そのうち約3500人が死亡すると推定されています。子宮頚ガンの原因は「ヒトパピローマウイルス(HPV)」に感染することです。ヒトパピローマウイルスは、100種類ほどの型が確認されており、特に「16型」と「18型」によるものが多く、子宮頚ガン全体の約7割を占めています。

2009年から日本でもワクチン接種が可能に

その子宮頚ガンが、ワクチンによって予防できるようになりました。ヒトパピローマウイルスに対するワクチンは、2006年にアメリカで承認されて、現在では100カ国以上で使われています。日本でもワクチンが承認され2009年12月下旬から一般の医療機関で接種できるようになりました。半年間に3回、筋肉注射による接種を受けることによって、最低でも20年以上、その効果が持続できると推定されています。

感染前のワクチン接種が大切

ヒトパピローマウイルスのおもな感染経路は性交渉です。特別なウイルスではなく、性交渉経験がある人の8割以上が、少なくとも一度は感染したことがあると言われるほどです。したがって、性交渉を経験する前にワクチン接種を受けるのが最も効果的です。欧米などの多くの国では、10歳代前半の女子を、第一に接種を受ける対象にしています。また、先進国の多くでは公費の補助が行われており、学校で接種が行われている国もあります。

完全に防げるものではないことに注意!

ワクチンは、ヒトパピローマウイルスの感染を予防するもので、感染した細胞を治療するものではありません。また、このワクチンは16型と18型のヒトパピローマウイルスに対するものであるため、子宮頚ガンの約7割を防ぐことができますが、完全に予防できるわけではありません。ワクチンの接種とともに、子宮頚ガン検診を定期的に受けて、早期発見に努めることが大切です。

    

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