見た目が老ける以上に問題なのは? −猫背−
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筋力が低下して、おなか側と背中側の筋肉のバランスが悪くなると、腰が曲がって猫背につながります。背中が丸まった姿勢は見た目が悪く、実年齢より老けて見えることが多くなります。そして、見た目の悪さ以上に問題なのは、体全体の健康に悪影響を与える可能性があることです。
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猫背になると肩・首・腰にコリが出やすく、頚椎症や突然の背中の強い痛みを引き起こすこともあります。そして、肩こりや背中痛だけでなく、下半身の股関節やひざの痛み、さらには全く関係なさそうな自律神経の乱れさえ引き起こす可能性があり、じつは猫背は万病のもとなのです。「猫背」という医学用語は存在せず、すぐに治療が必要という症状ではありません。しかし、崩れた姿勢を長い間そのままにしておくと、体のさまざまな不調につながり、老化を早める要因にもなりかねません。
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猫背でいると頭の位置が前にずれるため、体の重心を自然と前方に移動している状態が続きます。この状態では不安定なので体は重心を後ろに戻そうと、無意識に股関節と膝を曲げてバランスを取ろうとします。その結果、負荷がかかった股関節やヒザに痛みが出やすいのです。猫背というと上半身だけに関係しそうですが、このように下半身にも影響が出ることが多々あります。例えば、猫背の人とそうでない人を比べた時に、猫背の人の方が転倒リスクは高いという調査結果もあります。
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猫背姿勢によって胸郭が狭くなり、肋骨の間にある肋間筋が伸びにくく呼吸が浅くなりやすくなります。すると、酸素不足を解消しようと呼吸数が増えて、交感神経が活発に働いてしまいます。交感神経は血管を収縮させる作用があるため、血流が悪くなって高血圧のリスクが上がります。また、交感神経優位の状態が続くと自律神経のバランスが乱れて、不眠などを引き起こしやすくもなります。
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