歯周病対策に欠かせない ―サラサラ唾液―
300種類の細菌

口の中の健康に大きく影響するのが「唾液」です。口腔内には約300種の細菌が存在し、悪さをしない善玉菌と、歯周病やムシ歯、口臭の原因となる悪玉菌が混在しています。この細菌のバランスを健康に保つ働きをしているのが唾液です。

悪玉菌を殺菌

唾液はリゾチームなどの抗菌物質を含み、悪玉菌を殺菌して歯周病を予防します。また、ムシ歯菌を作り出す酸を中和する働きがあるので、ムシ歯の予防にも役立ちます。さらに、唾液によって口臭と原因となる細菌が洗い流されるなど、唾液は口腔内を良い状態に保つのに欠かせないものなのです。じつは江戸時代に書かれた『養生訓』にはすでに「唾液は血液と同じくらい重要」と唾液の重要性が記されているほどです。

増加するドライマウス

近年、唾液の分泌量が少ない人が増加しています。唾液の分泌量が減って口の中が乾燥してしまう、ドライマウスになる人が増えているのです。日本人の4人に1人がなっているとの統計もあります。じつは唾液には良い唾液と悪い唾液があり、サラサラしている唾液とネバネバしている唾液の2種類あります。口の中が渇いてネバついている時は、質の悪いネバネバ唾液だけが分泌されます。一方、サラサラ唾液は、副交感神経が優位になった時に多く分泌され、その殺菌作用によって口臭や歯周病を抑えられます。

唾液の分泌を促すには

サラサラ唾液の分泌を促すには、唾液腺を刺激すると良いでしょう。唾液腺はいくつかありますが、サラサラ唾液を分泌させるのは、耳の下にある耳下腺です。両側の耳下腺に人差し指から小指までの4本の指先を当て、後ろから前に向かって回すように10回ほど揉みましょう。ただし、これはあくまでも補助的に行うべきことで、唾液量を増やすのに一番良い方法は、食事の時にしっかり噛むことです。根菜類など意識してよく噛む必要がある食材を食事に取り入れ、まずは食べる時にしっかり噛むことが大切です。

    

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